設 立 趣 旨 書

 

若狭地方は、日本海の荒波によって作り出された変化に富んだリアス式海岸をはじめ、山・川・湖の自然景観に富み、四季の移ろいが楽しめる地域です。特に、若狭町には、ラムサール条約に登録された水鳥の生息地、三方五湖があります。この湖へ流れ入るハス川は、豊かな田園地帯を流れ、さらに上流は、そびえたつ三十三間山にその水源を求めることができます。このパノラマは、古来よりそこに生活する住民はもとより旅する者に親しまれ、心の拠り所となっており、誰もがこの環境を大切にして後世に残したいと願っています。

しかし、三方湖は、水質汚濁や富栄養化による汚染が進み、さらに心無い者による外来種放流により在来魚種の「ハス」が近年、全く姿を見せなくなるなど生態系の破壊が進んでいます。

また、河川は、川魚を採るなど水遊びをする身近な存在から、殺風景な三面コンクリート張りとなり、気がつくと子どもたちの遊ぶ場も魚のすみかもなくなり、「よい子は川に近寄らない」とか「川遊びは危ないから止めましょう」と、子どもと川との接点までも否定されています。

  同じことが田園地帯でも山野でも言えます。水田にいためだかや蛙も少なくなり、夏の夜、飛び交う蛍を追いかけた幻想的な風景も影を潜め寂しさを感じています。山里の耕作地は、動物の被害に対応できず放置され、荒れ野原となっています。

かつて野うさぎを追ったり、山菜やきのこを採るなど、親しみと畏敬の念を持って接した山は、立ち枯れの木や足の踏み場もなく倒木に覆われています。うっそうとした手入れのされていない人工林は、雨水によって表土が洗い流され、根がむき出しで保水力など本来の働きを果たせなくなっています。

NPO里豊夢わかさは、三方五湖がラムサール条約に登録されたことを機に、もともとすばらしい環境であった山・川・湖(海)をわれわれ大人の責任として知恵を出し合い、本来あるべき姿に一歩でも近づけることと、未来を担う子どもたちのために、また、未来の子どもたちのために自然と真正面から向き合うことの出来る場と機会を提供し、生きる力と豊かな感性を身に付け、将来にわたって環境を大切にする心を育む活動を支援していきます。さらに、地域住民の全面的な協力のもとこのプロジェクトが都会住民との交流や開かれたネットワークの構築で田舎暮らしの再評価と地域の活性化につながることを期待し実践して行きます。

こうした活動を実践する上で、各種の契約や地域社会からの信頼を得て活動の質を高め、会自体の基盤を固めていくためには、法人化することが急務であると考えています。

また、活動内容は営利を目的としておらず、環境問題や青少年の健全育成など公益性が高く、特定非営利活動法人の設立が望ましいと考えます。

 

平成19年6月10日

     特定非営利活動法人里豊夢わかさ          

   設立代表者 住所又は居所 

福井県三方上中郡若狭町井ノ口第38号23番地の1

                          氏名  前 田  勉 印